和田洋一

イラストレーター/ペーパークラフト作家

和田氏を一言で言えば大器用名人。

その人間離れした細緻な手先と集中力には驚かされる。似顔絵イラストの見事さには昔から定評があるが現在のメインの仕事はペーパークラフトである。それも、接着剤を全く使わない。絵の具もほとんど使わない、なんとなれば一枚の紙から、巨大で精巧なノイバンシュタイン城や恐竜までつくる。

氏のアトリエ、いや家のほとんどは作品で占拠されている。これだけ根気と正確な論理思考のいる作品をすごいスピードで量産してゆく。

私が訪れたとき等身大の骸骨と同居していた。(趣味ではなくお仕事である)新潟の大学と数年がかりで作っている大作である。これは医学生などが研究用につかうための極めて学術的に正確なものである。人骨が一枚のページで作られた本として世界的に出版される。「人間の肘の骨って2本並んでてね、片方は回転方向しか曲がんない。もう片方は一方向しか曲がんない。だからこういうふうに手首がまわるんだ。」「これで腕ひしぎ逆十字のはいりかたとか、研究するわけですね。」(趣味ではなくお仕事である。念のため)

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