漫研考古学3

UP最終号  

1972年7月15日発行 

肉筆回覧紙

編集人/和田洋一、塚本講司、鈴木美重子、西部圭子

製本/MOOR

表紙は写真のコラージュ。タイトルはありません。

この翌年(推定)には肉筆「自己漫族」があったわけで、これがどう呼ばれていたかは不明です。まさに始祖鳥に匹敵する化石といってよい。

 

かけないのべんしょうほうていしき/6p

八木 大

イラスト風の誌ですね。この人とってもコマ割りが美しい。コマ単位 ではなくページ全体での構図を意識してます。こういう書き方って、永島慎二氏、石森章太郎氏はよくやっていたけど現代のマンガでは継承されてないよね。

おなかがすくってこわいこと/8p

MOOR

親殺しという残酷な内容をかわいいコミカルな絵で描いてます。この作者のかた女性?男性?脈絡なくでてくる少女のツッコミがいい!

老猿人ターザン/5p

老後のターザンの悲惨な生活。来るべき高齢化社会問題をえぐってるなあ。絵は雑ですが話しとしては一番おもしろかったです。

作者不詳

ポップアップのイラスト

肉筆回覧紙ならではの企画ですね。

タイトル不詳/8p

作者不詳

大麻売買のシリアスな話。そして投げやりな書き方。物語りは途中でプツンと終わっています。この作者ちょっと怖いなあ。

黒い会話/4p

作者不詳

宇宙船漂流ジャンルのSF短編です。

ある歌キチの日記/8p

和田洋一

台詞が全て流行歌のタイトルの駄洒落!「映画野郎」の歌バージョン。1972年上半期版となっています。当時の世相が見えておもしろい。木枯し紋次郎に扮した五十嵐じゅんサイコー。

タイトル不詳/7p

作者不詳

恋人にも仕事にも恵まれているのになぜが不安に揺れる乙女心を繊細なタッチで描いてます。

この他作者不祥のイラスト、詩、コマ漫画多数。知り合いにしか回覧しないんだから無記名でいいわけなんだ。今っだたらこれだけのエネルギーさいて作ったものなら数百部刷ってコミケで売ろうとしますよね。

ネットもコミケもオタクという言葉すらない時代。漫画好きが集まる場があり、自分の作品を載せられる本がある、というだけ輝いていた時代の宝物。

 

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